カミングアウト第一章〜友達編〜
僕がはじめてカミングアウトをしたのは、小学校五年生の時で相手は当時の親友の女の子。
ブランコに乗りながら雑談をしていた時。
僕は「実は、気持ちは男で好きになる人も女の子なんだよね・・」と打ち明けた。
当時は性同一性障害なんて言葉も知らなかったし、
自分って一体何なんだ?!身体は女なのになんで男なんだ?!これっておかしいのかな・・・
そんな風に思っていて誰にもカミングアウトできずにいた。
打ち明けた時の親友の言葉が印象的で
「男だと思ってた!それに実はうちのお父さんがお父さんなんだけど女性で、だからうちのお父さんの逆なんだよね?!応援するよ」
と言ってくれた。
ホッとしたのと、お父さんについてすごく気になった僕はお父さんについて色々質問した。
そしたら子供だからGIDとか用語は出てこなかったんだけど、まさに僕の逆バージョンだということがわかった!
いわゆるMTFさんだった。
GIDということをカミングアウトして結婚したらしく、奥さんは人間として大好きだからと受け入れたという話しを聞いた。
このとき僕は理解してくれた喜びと、自分みたいな人って僕だけじゃないんだ・・・とホントに気持ちが救われた。
カミングアウト〜お母さん編〜
母にカミングアウトをしたのは、20歳のとき。
20歳で言おうと決めていた。
言い出そうとしてなかなか言い出せなかったし、誰よりも言いにくかった。
たぶん一番悲しむだろう人って認識があったからかもしれない。
でも反対に本当は一番わかってもらいたい人であることも確かだった。
紅茶を飲みながら、ついに
「あのさ…」
「‥性同一性障害なんだ」
「‥‥‥‥‥」
ちょっとした沈黙のあと、すぐに母が
「やっぱりそうなんだ?!どっちなのかなーってずっと思ってた」
落ち込む素振りもなく明るく言ってきた。
「うん。だから僕は戸籍変更までしようと思う」
このとき、母の顔がみれなかった。
「今の状態は辛いだろうし、男なら戸籍上も男にしたほうが生活しやすいだろうし良いんじゃない。自分の人生なんだから」
精一杯明るく言ってくれた。
母はそのあと幼少気のころの僕の話しとか、治療について雑談してくれた。
理解してくれて、本当に嬉しかった。