セクシャルマイノリティー用語をご紹介します!
セクシャルマイノリティー用語をご紹介します!
GIDや性的少数者(性的少数派)に関する用語は色々とあります。
GIDの人たちと会話していても普通に出てくるので、知っておいた方が良いでしょう。
言葉の意味は色々な解釈があると思うのですが、なるべくわかりやすいように要約しました。
よろしければ参考にしてみてくださいね。
GID(性同一性障害)に関する用語
・GID(性同一性障害)
GID(性同一性障害)とは、自分の戸籍上の性別や身体がどちらの性別に所属しているのかを認知していながら、性自認の性別は反対の性別に属していることを確信している状態のことです。
読み方はジーアイディーで、本人たちは性同一性障害というよりは、GIDと言う人のが多いです。
・FTM(Female To Male)
心と身体の性別が一致しないGIDの中で、自分の心は男性でありながら、身体は女性の人。 女性から男性へ転換を望む者という意味の略称です。
読みはエフティーエムです。
・MTF(Male To Female)
心と身体の性別が一致しないGIDの中で、自分の心は女性でありながら、身体は男性の人。 男性から女性へ転換を望む者という意味の略称です。
読みはエムティーエフです。
セクシュアルマイノリティーの人たちの中では、GIDよりもより詳細がわかるFTMやMTFと伝え合うことが多いです。
・オナベ
職業上、男装して男性のように振る舞う女性のことで、いわゆるオナベバーで働く人のことです。
一般的にFTMのことをオナベと認知している人も多く、よく世間ではFTMをオナベという言い方で表しますが、当事者にとっては差別用語になることが多いので、使わないほうが良い言葉です。
言われた側は、傷ついたり不快に思う表現です。
・オカマ
職業上、女装して女性のように振る舞う男性のことです。いわゆるオカマバーで働く人。
他にもオカマって言い方は同性愛者とか、女装を趣味でする人、言動が女性的な男性にも使われたりしますね。
一般的にMTFのことをオカマと認知している人も多いですが、当事者にとっては差別用語になることが多いので、使わないほうが良い言葉です。
・男の娘
女性の服装をする「性の自己意識」が男性である者であり、なおかつ若年層である場合を指す事が多いです。ネット掲示板などでよく使われています。
・トランスセクシュアル(Transsexual)
略称TS。読みはティーエス。
身体の性と心の不一致を強く感じ、自分の性器を不快に感じていて、SRS(性転換手術や性別適合手術のこと)を強く望む人たちのことです。
当事者は、間違った体に生まれたと認識していることが多く、自分本来の体を取り戻さなければと考えている人が多いです。
体を自分の心の性に合わせることで苦痛が緩和されると考えています。
・トランスジェンダー(Transgender)
略称TG。読みはティージー。
肉体的には男女どちらかの性に属しながら、自分の性に違和感(別の性自認)を持っていても、SRS(性転換手術や性別適合手術のこと)までは、望まない人たちのことです。
狭い意味で使われる場合はTSとTVの中間的な人、社会的生活の性を性自認と合わせたい状態で、合わせることで心の負担が軽くなり、苦痛が緩和される人を指します。
広い意味では、身体に抵抗はなくても違和感がある場合や、違和感の有無に関わらず、男女の性を越えて自分らしく生きる人をも表現します。
このTSやTGの人のことをトラ、トランス、虎男(とらお)トラ男(お)という言い方をすることもあります。
・トランスベスタイト、クロスドレッサー(Transvestite,Cross Dresser)
略称TV。読みはティーブイ。
異性装者のことです。異性装者のほとんどは自分の性別に違和感・不快感を持たないので性同一性障害と分けられて考えられています。
外見や服装を身体の性別とは別の性にすることで心の安定を得られる人たちです。心の性と身体の性が一致していない人と一致している人がいて、クロスドレッサー(CD)とも言います。
・パス
GIDの人が「心の性」で社会的に身体の性別がバレずに通用することです。FTMなら男性と判断され、女性だと思われないことです。
どれだけ通用するかということを、GIDの人たちの間では、パス度と言ったりもします。
例えばパス度高いとか、パス度低いとか、パス度上げたいという風に使っています。
・ニューハーフ
トランスセクシャルや異性装をする男性のことです。広い意味ではGIDのMTFのことも指します。
狭い意味では、オカマバーや風俗(ニューハーフヘルス)などで働く人のことを指します。
・FTX
身体は女性でも、自分が女性であるという認識を持たない人です。
トランスジェンダーの種類のひとつで、自分を男と自覚している訳でもない為、心の性が男女どちらでもないという意味のXを用いて表した言葉です。
・FTMゲイ
FTMであり、性指向が男性の人です。
性自認は男性だが身体は女性で、男性として男性に恋愛感情・性欲を感じ、男性として愛されたいと感じている人です。
FTMの中にもゲイと呼ばれる人達がいるのです。なかなか複雑です。
・ダナーズ(ダナ系)
トランスジェンダーであり、トランスジェンダーを恋愛対象や性欲の対象とする人です。
広い意味ではボーイッシュな女性や、性行為で男性の役割をする女性(レズビアンのタチ)が相手になる場合も含まれます。
・MTFレズビアン
MTFであり、性指向が女性の人です。
性自認が女性だが身体は男性で、女性として女性に恋愛感情・性欲を感じ、女性として愛されたいと感じている人です。
性的少数者全体に関する用語
・Xジェンダー(エックスジェンダー)
自分自身の心の性別が、無性や中性の性自認を持つ、いわゆる男女どちらでもない人のことです。
男女という性別に無理やり当てはめるのではなく、どちらにも当てはめないまま自分の性で生きるというような意味で使われます。
・エイセクシャル(アセクシャル)略称Aセク
男性や女性など、どんな性別の人にも恋愛感情や性欲を抱かない人のことです。
一時的に性欲減退している人のことは指しません。絶対に恋愛感情や性欲がない人だけではなく、多少は性欲だけあったり、恋愛感情はあっても性欲は全くないなど、色々なパターンがあります。
例えば恋愛感情はあって手を繋ぐのはできても、それ以上の行為は全く無理という人もいます。
・インターセクシャル(、半陰陽、略称IS)
男性か女性かに区別できる体の性において、性別の判断が難しい体を持つ人です。
「両性具有(りょうせいぐゆう)」という言い方もしますが、あまり使わないほうが良い言い方です。
社会的な認知が低いので、医療の問題がたくさんあります。
・LGBT(エル・ジー・ビー・ティー)・GLBT(ジー・エル・ビー・ティー)
性的少数者と同じように捉えられる場合が多いですが、LGBTは、その中でさらに限定的な言い方です。
頭文字の略称で、女性の同性愛者(レズビアン)の頭文字L、男性の同性愛者(ゲイ)の頭文字G、両性愛者(バイセクシュアル)の頭文字B、性同一性障害者(トランスジェンダー)の頭文字Tから合わせて
LGBTといいます。
・純女(じゅんめ、じゅんじょ)
性同一性障害ではない生まれながらの戸籍上が女性の人のことです。 MTF に対して、生まれ持った身体的性別と性自認が一致している女性と言うことです。
・純男(すみお、じゅんお)
性同一性障害ではない生まれながらの戸籍上が男性の人のことです。FTMに対して、生まれ持った身体的性別と性自認が一致している男性と言うことです。
性別に関する用語
・セクシュアリティ(sexuality)
性全般を意味する言葉で、性行動の対象や、性に関する傾向に対する考え方や生き方を指します。自分自身の性や、どんな性別の人に性欲を抱き、恋愛対象とするかなどを表現するためのものです。
広い意味でトランスジェンダーの場合は「体の性別と性自認」を組み合わせた自分の性(FTM、TS、TGなど)を指す言い方として使います。
よく略でセクって言い表します。自分のセクは○○みたいな感じです。
・セクシュアルマイノリティ (sexual minority)(性的少数者)略称セクマイ
性的少数者(せいてきしょうすうしゃ)のことです。
身体と心の性別が一致していて、恋愛対象が異性に当たる人たち男女2種類の人たちを多数派とした場合に、この2つに当てはまらない性の人たちのことです。
トランスジェンダーや同性愛、インター性交渉などに大きく分けられています。「マイノリティ」や「少数派」という言葉に嫌悪感を示す人もいます。
僕たちセクシュアルマイノリティの人たちの中ではセクマイと略したりもしています。
・ジェンダー(gender)
身体の性とは別の心の性のことを表すことが多いですが、 その定義は曖昧で、文化的・社会的性という意味で使われることも多いです。
・性自認(Gender Identity )ジェンダーアイデンティティ
「自分は男性(女性)である」という自己認識や確信のことです。
男女の性別の区別は、見た目(身体の特徴)や、染色体の構造でわけることができますが、性自認はその構造的特徴とは全然関係なく形成されるというのがわかってきています。
そして現在は性自認に基づいた性が本来の性と考えられています。
・性的指向・性指向(sexual orientation)セクシュアルオリエンテーション
性的指向(せいてきしこう)・性指向(せいしこう)とは、どの性別を恋愛や性欲の対象とするかのことです。
・性役割(Gender Role)ジェンダーロール
社会的・文化的に期待される性のことです。「男なら○、女なら○」というような男らしい、女らしいを基準として、その性別に相応しいと思われる在り方です。
カミングアウトに関する用語
・カミングアウト(coming out)
秘密にしていた、自分が性的少数派である事実を打ち明ける、または公表することで、カムアウトとも言います。
セクマイの人たちの中では「カムする」「カムした」という風に言ったりもします。
・ノンカム
カミングアウトしていないことです。自分が性的少数派であることを、公表していないことです。
・リード
パスとは逆の言葉。GID(性同一性障害)の人がバレてしまう、もしくは見破られることです。
・ノンカム
カミングアウトしないことです。
GID(性同一性障害)の場合、パス度に自信があれば、そんなに深い関係でない人に対しては「GID(トランス)であること」を完全に伏せて関わる方法もあります。
もしこれが出来ると結構精神的に楽になります。
・パートタイム
性別移行を行っているが、それを日常生活全てではなく、両方の性別で生活してる状態、もしくはそういう人(パートタイマー)のことです。
「仕事を優先する」ことを理由としてパートタイマーとして生活してる人も多数見かけます。
・埋没
ごく親しい知人・家族のみにカミングアウトをするだけで、誰も自分を知らない新しい土地で、新しい生活を一から築いていく性別移行の手法です。実際に「埋没」して性別移行をした人もかなりの数に上ると推測されますが、実態は不明です。
手術に関する用語
・ノーホル
ホルモン医療を受けていないことです。
ホルモン医療なしでパスするのは難しいけど、工夫次第で可能なことがあります。人によってはノンホルと言ってる人もいます。
・フライング
医師の「まだ許可がない」状態で先走って何かをすることです。性同一性障害の場合にはホルモン療法をガイドライン第2段階に進む診断書がないのにヤミで治療を行ってしまうことです。
僕もフライングをして後悔してる人を何人か知っています。「自分は性同一性障害なのか?」と悩んでるうちは絶対にフライングをしてはいけません。
1度始めたら後戻り出来ないのを理解して納得してから始めてほしいです。
同性愛に関する用語
・同性愛(homosexual)ホモセクシュアル
自分の心の性と同じ性に恋愛対象や性欲を感じる人のことです。男性同士のことをゲイ、女性同士のことをレズビアン、男性も女性も性の対象とする人をバイセクシュアルといい、この人たちを指す言い方です。
ホモセクシュアル、略称のホモは差別的な意味があるので、使うのはよくありません。
レズビアンに対しても、略称レズという言い方は差別用語になるので、当事者たちは「ビアン」という言い方をします。
・両性愛(bisexuality)バイセクシュアル
男性にも女性にも恋愛感情や性欲を感じる人のことです。性欲を感じる人の性別がどちらでもオッケーな人のこともいいます。
略称バイで、セクマイの中ではバイと言うことが多いです。
・タチ
同性愛の関係において、性行為で責め(能動的)の側の人のことです。語源は歌舞伎の「立役(男役)」からきているようです。
・ネコ
同性愛の関係において、性行為で受け(受動的)の側の人のことです。
・リバ
主に同性愛の関係において、性的な行為において責めの役(タチ)も受けの役(ネコ)もする人のことです。語源は「リバーシブル(両面の)」からきています。
・歩くカミングアウト
外見や、行動でゲイであることが明らかにわかる人のことです。
・異性愛(Heterosexual)ヘテロセクシュアル・ノンケ・ストレート
自分の心の性と反対の性別の人が恋愛対象や性欲の対象になる人のことです。
略称はノンケ、ヘテロ、ストレートになります。セクマイの人の中ではノンケと使う場合が多いです。
用語集の中にも登場しているように、セクマイの人たちの中では略した表現を使う場合が多いです。
正式名称は長くて覚えにくかったり言いにくかったりするので、まずは略称だけでも覚えると良いと思います。
僕たちも自分たちのことはわかっていますが、必ずしもセクマイすべての人たちのことを理解しているわけではありません。
そのため言い方によっては、相手が深いに思うこともあります。なるべく用語の意味や使うべき場所を理解しましょう。